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『日本のサウナ誕生秘話、そしてサウナの知られざる裏話。日本サウナ界最強の泰斗・中山眞喜男氏 降臨!』

中山眞喜男。
サウナマニアでこの名前を知らない人はいないだろう。

サウナメーカー「メトス」の前身である「中山産業」の元取締役にして、現日本サウナ・スパ協会の技術顧問。
日本のサウナの黎明期から現在まで、サウナを見続け、入り続けてきたサウナの生き字引にして最強の泰斗!
そんなサウナマスター・中山氏が、諸説ある日本最初のサウナについて決定的な事実を教えてくれた!!


                 
東京オリンピックの時に、フィンランドの選手たちが選手村にサウナ持ちこんで作ったんですよね。
日本でも今、家庭の用のサウナあるでしょ? 工場で作って組み立てるだけの。おそらくアレを持ってきたんだと思うんですけど、それがマスコミに取り上げられて、なんかバァ~ッと有名になっちゃった。
それまでの日本人は、サウナって言葉も知らないし、フィンランドがどこにあるかも、10人中9人は知らなかったんですから。なんとなく聞いたことあるくらいで。
実はワタシの義理の兄が中山産業(現メトス)って会社の社長やってたんですよ、富安商儀っていう。
それでライオンズクラブの会員かなんかやってて、その中で日本に最初にサウナを輸入しないか? っていう話が出たらしいんですよ。
それで「やろう」っていったのがライオンズのメンバーの中で中山産業だけだったという!
それで昭和41年に、今のどこだろ……渋谷の東急プラザの裏のあたりに日本最初のフィンランドスタイルのサウナの一号店を作ったんですよ。
それが『スカンジナビアクラブ』です。

日本最初のサウナの話というと、銀座の東京温泉の話がよくでてきますよね。この施設のできたのが昭和26年。ただこの時はサウナはありませんでした。
で、昭和36年に東京温泉が日本で最初のサウナと言われてるサウナを作ったんですけど、作る時にサウナがどういうものか? っていうのを、まぁ社長自身よく知らなかったんですね。
それでまぁ工夫して作ってみたんですけど、サウナ室の壁や床に蒸気配管を張りめぐらせて、そこに蒸気を通して部屋を暖めたという。
日本独自のサウナなんですけど、フィンランドのサウナとはまったく違う、でもそれをサウナって呼んじゃったんですね。
温度自体は80度くらいだったと思うんですが、床にも蒸気の配管通してますからね、もう床が熱くってね。飛んで歩かないと入れないようなサウナといいますか、まぁ独自のサウナでしたね。
東京温泉は、ミストルコなんていうマッサージする女性もいましてね。でもその後のいわゆる風俗のトルコ風呂みたいな、そういうサービスをするワケではなかったですよ。

“日本最初のトルコ風呂は東京温泉だ”なんて書いてある本とかもありますが、それは間違いなんですよね。

それはともかく。日本最初のフィンランドと同じ仕組みのサウナというと、スカンジナビアクラブということになるんですね。

日本最初のサウナは『スカンジナビアクラブ』。この事実はサウナ好きのウンチクとして知っておいた方がいいかもしれない。

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で、それを造る時は、フィンランドに設計させたと思うんですけど、やっばり文化の違いっていうんですかね。
フィンランドからきた図面を見ると、サウナがあって水風呂があって、あとはシャワーがズラーッ並んでるだけなんですよ。
それはフィンランドでは当たり前のことなんですけど、日本人になると、お風呂のお湯がなきゃ困るとか、体を洗うカランがなきゃイヤだとか………だから内容的にはずいぶん日本風にアレンジしたんですよ。
それが今の日本独自のサウナの始まりになったんでしょうけど。ただサウナそのものはフィンランドそのサウナの作り方そのものだったんですよ。
ただ、ワタシはその時はサウナと全然関係ない会社に勤めてましてね。でも義理の兄の関係で試運転の時から入ることができましてね。まぁ、サウナもそれで初めて体験したと。
やっぱりあの……サウナ初めて体験すると、そのままハマっちゃう人と、入った途端でタオルで鼻と口押さえてそのまま出てきちゃう人と、大きく分けて二つに別れちゃうんですよね。でもボクなんか一発でハマっちゃった。
 
そして昭和48年に義理の兄の富安が亡くなりまして、それで中山産業から「オマエもこっちきてやらないか?」って話がきて、それで仕事としてサウナに関係することになったんですけど、その頃はとにかくサウナがどんどんできてきてた。
銀座だけで7~8軒サウナがあったんですよ。

スカンジナビアクラブ以降、日本中は今のサウナブームなどとは桁違いの一大サウナブームが巻き起こっていたのだ!

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あのお、今銀座は全部高速道路で囲んじゃってますけど、昔は銀座も水の都だったんですよ。
東側は築地があって、西側は外堀川があって、あと京橋川と汐留川とあって、でぇ~銀座通りと昭和通りの間に三十間堀っていう堀川があって…。
それが戦後に空襲のビルのガレキの処理に困って、それをみんな川の中に放りこんじゃったの。
あの~ワタシ、銀座に住んでたの。銀座っていっても昔の木挽町(現在の銀座と築地の間)ですけどね。そこに住んでて京橋小学校の卒業なんです。
それでその頃はまだ有楽町に新聞社がたくさんありましてね。朝日新聞なんか日劇(現・有楽町マリオン)の横にあって、その前に『サウナバス有楽』っていうのがありましてね。
新聞社の夜勤明けの人なんか入ってて、よく流行った店でしたよね。
それと松屋の裏ですね。昔の三十間堀の川っぷちに、今でもビルはありますけどお稲荷さんがありましてね、その隣のビルの地下にもサウナありましね。
42年頃にできた古いサウナ。ビルの面積が30坪くらいですかね、だからもう脱衣室と風呂場と簡単な休憩室とマッサージと、それしかない店ですけど、家から歩いて1分くらいだったんで、よく通いましたね。
その頃、三原橋に『吉葉』っていうちゃんこ料理屋がありましてね、元横綱の吉葉山がやってた。
この吉葉はもう一軒、外堀側の埋め立ての西銀座デパートの、帝国ホテルの裏のあたりのへんの地下にもあって、人から聞いた話だけど、どちらかが本妻の店で、どっちかが妾の店だ、なんて噂もありましたよ。吉葉山は美男力士でモテたんだ。

それはともかく、そのサウナでは吉葉山とも何回も会いましたよ。
野球の金田正一! あの人も『サウナ34』っていう、自分の背番号を付けたサウナをやってたことあんですよね。
その研究の為なのか、あの人ともそのサウナでは会いましたねェ。
 
当時、元厚生大臣で川崎秀二さんという方がいて、この人はフィンランドと色々と交流が深い人だったんですけど、サウナが好きで。
ただサウナが急に出来たもんですから、トルコ風呂みたいな、サウナに関連した名前を付けたいかがわしい店も増えてきたんでね、サウナ営業の人だとか、中山産業みたいなサウナ設備の会社とかも、
これはまずいんじゃないか? サウナの健全化を目指さなきゃいけないんじゃないか? っていうことで、この川崎秀二さんを総裁にして、『日本サウナ・スパ協会』の前身である『日本サウナ党』っていうのを作ったんですよ、これが昭和44年ですかね。正式に設立ってことになったのは昭和46年ですけど。
総裁が川崎さんで、会長は銀座で東京温泉をやってた許斐(このみ)氏利さん。
それと前後して、東京や北海道、名古屋、大阪、兵庫なんかに地方ごとのサウナ協会もできてきましてね。
それをまとめた『日本サウナ協会連合会』っていうのも出来たんですね。
その時に会報みたいな新聞を発行しましてね、東京都の衛生局の課長が祝辞を書いてるんですけど、それを読んでたらですね、昭和46年の時に都内で440軒のサウナがある、と書いてある!!
だからすごい広がり方ですよね、わずか5年くらいです。
 
銭湯がサウナを作ったのも早いんですよ。
埼玉県の例ですけど、昭和44年に埼玉県には銭湯が380軒あって、そのうちの50軒にはサウナがあったと。
昭和42年の週刊朝日が『サウナバス繁盛記』っていう取材記事があるんですけどね、それを読むと、もうすでに新宿や渋谷では過当競争でどうなるか? って心配してますね。
新しくホテルを作る時は、サウナを作るのが当たり前っていう時代でしたしねェ。

だからそれでね、中山産業もどのくらいサウナを輸入したのか調べようと思いましてね。ただ今は全部データもコンピュータ化してるでしょ? 
だから古いヤツは全部捨てちゃってないんですよね。
ただ当時の社長の富安商儀が、フィンランドサウナ協会が運営してる『サウナセウラ』っていう会員制のサウナに、日本人で初めて推薦されてメンバーに選ばれてるですよ。
それに、その会員証があるんですけど、その会員証をわざわざフィンランド大使館が訳してくれてるんですよ。
普通大使館がそんなことしませんでしょ? よっぽど大使館もフィンランドのサウナが日本で売れてうれしかったんでしょうねェ。
 
昭和43年か44年くらいですかね。あの頃、藤田小女姫(こととめ)っていう有名な女占い師がいましてね。
それがね、有楽町に『有楽サウナ』っていうサウナを作ってたんですけど、これが火事だしましてね。それで3人死んでるんですよね。
ただそのサウナを作った業者っていうのが、我々の全然知らない業者だったワケ。ストーブも国産で作ったストーブらしいですよ。
だから変な意味で、やっぱりサウナはフィンランド式で作らなきゃダメだっていう、常識みたいになってきたんですよね。
そんなこともあって、そうとう輸入しましたよ、サウナを。
ボクの記憶でも年間に4~500台は輸入してたと思うんですよね。

ところで中山氏の好きなサウナはどんなサウナなのだろうか?

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数のうえで一番普及してるのは電気式のストーブなんですけど、フィンランドにしてもバルト三国にしても、サウナっていったらスモークサウナのことをいうんですよね。
電気式のサウナのことはちょっとバカにしてるみたいな。
あんなのは「ただの電気のグリルだ!」みたいな感じですよね。
たしかに温度のまろやかさでいうとスモークサウナなんかイイですよね。
“温度がまろやか”っていうのは、まぁなんとも説明が難しいんですけと、鰻も電気ヒーターと備長炭で焼くのとじゃ、あきらかに違うそうですからね。
ただ日本の都市部でスモークサウナを作るなんていうのはね、消防法の問題もあって無理でしょうけど。薪の問題もありますし。アレはフィンランドみたいな森林国だからできるんでしょうね。ただフィンランドでも木を切ったあとちゃんと植林してますからね。
それで1年分の薪を切って溜めるわけですよね、薪の貯蔵庫があって。で実際に使う薪は2年目のモノを使うワケですよね。
一年間は乾燥させるワケですよね。電気ストーブなんてのはスイッチ入れればいいんですけど、スモークサウナはそういう手間もかかる。逆にそういう労働の喜びがあるかもしれませんけど。
そういう意味で、電気式で手軽だけれども、石の量を増やして、スモークサウナに近づけようとしてるのがIKIサウナですよね。

IKIサウナを開発したJouni Kerrman氏。中山氏は彼の別荘のサウナにも入ったことがある、数少ない日本人の一人でもある。

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IKIの社長の別荘。ヘルシンキから電車で2~3時間かかったですかね。そこに行ったら、敷地が広いんですよ。
柵なんてなくて、どこからどこまでが自分の敷地がわかんないようなもんなんですけど、その土地の中にその人のサウナだけで5つくらいあったかな、あっちこっち作ってるんですよサウナ小屋を。
薪だけのサウナもあれば、IKIのストーブが置いてあったり、違うのが作ってある。
大昔のサウナみたいな土の中に作ったサウナだとかね、そんなのもありましたよ。
土手を利用して前だけが外気に面した形で洞窟みたいに掘って作ってある。内壁は木で仕上げてあるんですけどね。
まだ入ってないですけど、日本じゃ今年の3月に初めてそのタイプに似たサウナが出来ましたよ、長野のフィンランドビレッジに。
土の中に作ったサウナは、ロウリュした時の感覚がイイなんて向こうの本には書いてありますけど、フィンランドで入った時はそれほど感じませんでしたけど。

ロシアのね、サウナのことバーニャっていうけど、アレはまだ入ったことがないんですよ。ただ入った人に聞くと、誰もがいうんですけど、アレはものすごく温度も高いし湿度も高いと。
だから向こうの連中は必ずサウナハットかぶって入るんですけど、フィンランドであんなものをかぶって入るヤツなんて見たことない!
フィンランドのヤツに聞くと、サウナハットは耳のヤケドを防ぐためにかぶるもんだから、フィンランドでは必要ないと。ヤケドするまで温度も湿度も高いようなサウナはフィンランドにはない、と。
まぁヘルシンキのサウナセウラにも熱いのありますけどね。部屋でいうとナンバー3!
ただあそこは状況に応じてロウリュしますからね。
「頼むよ~」っていうと、サウナ室から出て行く人が、出てく途中でフタ開けて水かける。
まぁそれがマナーにもなってるんですけど、熱さは状況にもよりますからね。
そんなバーニャをロシアの人は“スチームバス”だっていうんですよ。
ずっとロウリュしてて蒸気が多いから連中はそういってるんですけど、他の国の人にいわせりゃスチームバスっていうのは別のものでね。
日本でもアメリカでもそうですけどスチームバスっていうのは蒸気発生機があって、そっから部屋の中に蒸気を送る。
だいたい部屋の中の蒸気は100パーセント……飽和状態になってて、温度が上がると自動的に蒸気が止まるようになってる。
蒸気の場合は温度上げると、体感が熱くて入れないから、40度からせいぜい60度くらいで押さえてるんですけど、そういうのが我々のいうスチームバスなんですけど、ロシアの人はバーニャもスチームバスっていっててね、そこらへん食い違いはあるんですけどね。

それにしても中山氏、御年80才にして、やはりサウナのおかげなのか健康そのものに見える。

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アメリカのアスレッチック機械のメーカー……ノーチラスだ。ノーチラスのマニュアルみたいの見てたら、運動した後はね、スチームバスじゃなくてサウナに入れと。
スチームバスっていうのは蒸気があって体の汗が蒸発しにくいと。サウナの場合は発汗によって体が冷やされるから、そっちの方が健康にいいと書いてありましたけどね。
サウナっていうのは熱いから体を冷やそうとするワケですよ。最初のうちは冷やそうと、どんどんどんどん血液の循環をはじめるんですよ。
でまぁ表面の温度を下げようとするんですけど、それじゃおっつかなくなるもんだから、次に汗を出す。
その時の汗の蒸発で気化熱で体を冷やそうとする。それが体にいいんですよね。
 
水風呂の温度ってのも好き好きですからね~。最初の流行りだした頃、営業店から、「水風呂っていうのは何度にすりゃあいいんだ?」
っていうふうな質問がくるわけですよ。そん時に、これは客の好みですから、いくつかアンケートを取ってみたんですよ。そしたら20度じゃヌルすぎると。
それで15度だと冷たすぎるっていうんですよね、アンケートの結果では。
だからまぁ、17度が17,5度くらいにしたらいいんじゃねぇか? なんていってたら、それが通っちゃったみたいですね。
 
ロウリュも最初はできるような所が多かったんですよ。
スカンジナビアクラブも大きなサウナと小さなサウナがあって、小さなサウナの方がちょっと温度も低くて,ちゃんと杓とおけが置いてあってロウリュできるようになってましたよ。
でも、そういうロウリュができるサウナで、酔っぱらいのお客がザバーッと水かけてヤケドするなんていうことが時々あったんですよ。それで危険だっていうんで辞めさせちゃったんですよね。
ロウリュっていえば、水風呂と同じで、サウナを楽しむ大事な要素の一つなんですけど、当時は経営者も、ましてや従業員も、サウナ自体がどういうものか知らないですからね。
そうやってロウリュできなくなったのが昭和の42~43年頃。まぁ逆に言うと、日本独自のサウナ文化でできたっていうことはありますけどね。
日本独自のサウナ文化といえば、サウナ室のテレビ。あれがいつごろどこがやりはじめたのか、調べてみたこともあるんだけど、わからないんですよねェ~。
たしか銭湯で風呂場にテレビを付けたっていうのは銭湯の浴場組合の資料かなんかにあった気がするんですけど、サウナのテレビっていうのはわからないですねぇ。
ただ42~43年頃よりはちょと後だと思いますよ。
サウナの後に休憩室で呑んで喰ってっていうのも、日本だけでしょうねぇフッフッ。
外人からいわせると、日本のサウナは実にキレイに作ってあるとはいいますね。
日本はサウナ室を大工じゃなくて建具屋に作らせたんですよね。
(注・家屋でいうと家自体を造るのが大工。障子や襖、ドアなどを造るのが建具屋で、組子のような複雑な木工も得意とする)
日本人っていうのは、板は柾目じゃなきゃいかんとか、色は揃えなきゃいかんとか、節があっちゃいけねェとか、ヤニがあっちゃいけねェとか、そんなことばっかりいうワケですよ。
フィンランド人にいわせりゃ、「これは自然の木じゃないか?」と。
「節があるのは当たり前だし、柾目じゃなくったっていいだろう?」と。そういう所がありますね。
設計事務所の建築家の先生たち、ああいう人がこだわるんですよね。
サウナなんて80度90度で使ってますから、当然半年1年経てば炭化して黒くなってくるんですよ。
だからそんなことこだわらなくたってねェ。
だってずいぶん値段も違ってくるんですよ! 
そういう所は作る側の人間じゃないと知らないでしょうねェ。
サウナ室に最初からバスタオルを敷いてあるのも日本独自ですよねぇ。
新橋の『アスティル』なんかは、サウナ室の入口に自分用のタオルがあって、それを自分で敷いて、出る時に捨てるっていうのもありますけどね。
ただ最近は口すっぱくいったんでなくなりましたけど、バスタオルじゃなくて最初っからベンチ全体に交換できないような絨毯を敷きつめたサウナ室っていうのもあったんですよ。それは臭くなっちゃいますよね。
サウナ室のベンチっていうのは、透かしにしておいて、その下と上で空気が循環しなきゃいけないのに、絨毯でふさいじゃったら、それもないですからね。
まぁ日本ではオシリの下に敷くだけですけど、ドイツあたりいくと国民性ですかね、やたらうるさんですよね。
オシリの下から足の先までタオルでベンチに触れないようにして、それで座れと。
だから自分のだした汗は、自分のタオルで全部始末しろっていう考え方なんですよね。
ドイツ人はそういうことをいうんですよね、几帳面で。まぁ慣れちゃえばなんてことないですけどね。
 
それでもあんまり新設の話はきかないですよねェ。だからちょうどいいくらいの数になってるんじゃないかと思いますけどね。

ワタシが外のサウナで行く所っていうと、まぁ数でいえばメンバーになってるスポーツクラブのサウナなんですけど、それ以外だと、よく行ったのはなくなっちゃった『後楽園サウナ』。
今は若いコ向けに開発した……なんつったっけ? 『ラ・クーア』だ。
ラ・クーア……あれはどうもなんか……ん~、なんかねぇ。
だから最近で外で入るサウナといえば、新橋の『アスティル』かねェ。
ウチにもありますけどね、家庭用のサウナ。電気式の一坪弱の。片隅にストーブがあってベンチが二段あって。少なくても毎週日曜には家のサウナに入ってますけど、浴槽はひとつしかないですから、夏の間は水風呂にしておいてはいれるんですけど、冬はね…。
冬も水風呂にしておきたいんですけど、回りから苦情がくるんですよ、家族から。
「寒い時はお湯に入りたい」って、ねェ? もうそういう時は水シャワーで我慢してますけどね。
 
サウナに入る時に気をつけてること? いやぁ~なんもないすね。
ただ年とりましたからね~。フィンランドで冬なんか湖に入る時は水温低いですよ。そういう時はゆっくり足から入るように気をつけてますけどね。
ただサウナ室から湖までは距離があるんですよね。ユックリ歩いてくと1分くらいある。それでゆっくりと外気で体が冷えるんですよね。アレ、考えてやってると思うんですけどね。
だけど向こうの連中は体が丈夫ですよ。氷張った湖に平気で入るんですからね。
あ、気を付けることというか、酒呑んだあとは入らないようにしないといけないですね。それで食事した後は入っても気分よくないですよね。
それと医学的に言われてることなんですけど、温度が高めのサウナ入ると交感神経が活発になるから元気になる。逆に50度、60度の低温サウナに入ると、副交感神経が働いてバランスが取れるんだっていわれてますけど、それは体験的にわかる気がしますよね。
冬なんか熱いサウナに入って、その後に布団に入ればよく眠れるんじゃないか? ってやってみたんですけど、目が覚めちゃうんですよね、交感神経が活発になりすぎて。
だから寝たい時は低い温度のサウナ入りゃいいんでしょし、サーモスタットで温度変えればできるんでしょうけど、そういうことはしないんですよね、ウチのサウナは。

ただ外のサウナも昔よりは温度低めになりましたでしょ。だいたい今は90度くらいで落ち着いてますでしょ。
昔は温度は高い方がいいと思ってる人が多かったですからね。サウナが日本に入ってくる前の銭湯のだって、湯船のお湯をヌルくすると怒鳴るオヤジがいたんですよね。
「水でうめたら日向水になっちまうじゃねェか!!」なんてね。そういうオヤジがいたもんですよ。

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サウナに入ると、汗と一緒にカドミウムだナトリウムだデトックスされる。
それは実験のデータで出てるんですけど、入ってる最中に水を呑むと、呑んだ水っていうのはすぐ胃で吸収されて、すぐに血液の中に入っていっちゃうんですよ。
だから発汗はよくなる。発汗はよくなるんですけども、腎臓だとか肝臓だとか、そういう所からの汗が出なくなってきちゃうんですよ。デトックスの汗が出なくなっちゃう。
だから水を呑むなら、サウナに入る前はもちろんのこと、サウナを出てからも呑みなさい、と。サウナ入れば500CCだっていうくらいの汗はかきますからね、出たらば必ずこの水分補給はしなさい、と。

酒じゃダメなのか? って。ん~サウナから出てすぐ呑むビールは旨いすけどねェ……エエ。でもま、我慢して最初は水一杯ね。

--以上・現日本サウナ・スパ協会 技術顧問・中山眞喜男氏のインタビューでした。

達観のサウナキャリア・衆議院議員 平沢勝栄 熱き50年を語る

サウナとの出会いはかなり前になりますよ、アレですね、学生時代ですね。

学生時代に『東京温泉』……銀座の松阪屋の近くと、東京駅の八重洲側の地下にあってね。
最初は誰かに連れてってもらったんですよ。それまでは一回も入ったことなかったんだから。それで入ってみたら、「こりゃいいもんだ!」って。
一言でいえば、「ヤミツキになった!!」ってことですよ、今から約50年前に…。

というサウナ歴50年の年季の入ったサウナマニアがいる。衆議院議員・平沢勝栄氏だ!
テレビでもお馴染みの平沢議員は1945年9月4日岐阜県生まれ、現在72才。そのあまりにもエネルギッシュで、そして達観すら感じられるそのサウナ歴・サウナ観をたっぷり味わってほしい!

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大学を出て警察庁に行ってからは大阪にもいたんで『ニュージャパン』ね、難波の方の。あそこもよく行きました。

地方に行けば、その土地その土地に必ずサウナがあるからね。岡山の警察本部長やってる時も、岡山のサウナに行ってましたよ。
岡山の繁華街にあったんですよ、名前はなんていったかな~。『ハリウッド』?
あ、『ハリウッド』もよく行ったけど、もう一軒、川が近くに流れてて、名前が思い出せないんだけど、よく行きましたねェ。

今も時間があればサウナ!

地元の新小岩には『レインボー』っていうのがあるんですよ、あとは綾瀬に『銀河』っていうのがある。ココはよく行ってる!!
なんで『レインボー』より『銀河』の方がよく行くかっていうと、『銀河』の方が空いてて人と会わないんですよ。
『レインボー』行くと、知ってる人とばっかり会っちゃうんですよ。サウナの中で地元の知ってる人と挨拶ばっかりしてたら、疲れが取れないんで、どうしても『銀河』が多くなっちゃう。『レインボー』も広くていいんですけどね。

ただ失敗したことがあってね。サウナにはメガネ外して入りますでしょ。昔は知らないでかけたままサウナ入ってメガネ壊しちゃいましたから、外して入る。でもメガネがないとよく人の顔が見えないんですよ、サウナの中で。すると知ってる人が入ってきてもわからなくて、

「なんで挨拶しないんだ!」

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って怒られたことあるの。見えないんだもん。だからメガネもかけなきゃいけないんだけど、そうはいってもね、メガネがダメになっちゃうんでねェ。

だから地元のサウナに入る時は、みんなに頭下げてれば間違いないの、ね。
ただどなたかはわからない!!

でもサウナでいろんな友達との出会いはありますよ。サウナ友達っていうの。サウナの隣で色々と話しあってね。
「今度、応援しますから」なんていってくれたりね。

だってサウナの中は何もしないで座ってるワケだから5分、6分って。そりゃあ話をすることもありますよ。何人か、そういうサウナ友達も出来ましたよ。
そんな感じで今よく行くサウナっていったら、ココ『六本木VIVI』と綾瀬の『銀河』。新小岩の『レインボー』。それと新橋の『アスティル』もよく行きますね。
その四カ所。

つい最近までは、赤坂の地下入ったところ……整骨院かなんかの地下一階に、よく行く所があったんだけど(『EMサウナ』)、そこはつぶれちゃったの。
それと地元のスーパー銭湯も行くんだけど、そこももう知った人にばっかり会って、落ち着かなくなっちゃうから、少なめで。

サウナの入り方は、最初にシャワー浴びて簡単に体洗って、サウナに6~7分入ってから、すぐ水風呂に入る。
ここ『VIVI』だと水風呂がけっこう冷たいから水風呂に入ってるのは1分くらいだけど、他の所は2分くらい入って。それを2回くらい繰り返す。

ココの水風呂は冷たいですよ。そりゃあ水風呂は冷たい方がいいですよ。そりゃあもう決まってる! それでリフレッシュする!
サウナの効用っていうのはやっぱりリフレッシュするってことじゃないかな、体もそうだけど、心もリフレッシュする。

気分を一新して、またやる気が出てくる。そしてサウナを出たらば、また動き出す。

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年頭なんかは特に新年会なんか多いでしょ? その合間なんかに、ちょっと時間があったら、その時間を見つけてちょっと行くっていうのがイイんですよ。
もう30分あれば充分ですから。30分時間が空いたらサウナに行っちゃう。
朝からズ~ッと仕事して、それで30分時間が空いたらサウナ行ってリフレッシュして、また仕事する。
すると頑張れる!!

お風呂でもいいんだけど、お風呂だとまたちょっと違うんですよ。
だから私が今一番残念だと思うのは、議員会館の地下に運動場があるんですよ、運動場っていうかジム。
そこはシャワーが20いくつあったりするんですけど、サウナがないんですよ!
おそらく、「サウナは贅沢だから」っていう批判を受けるからないんだと思うんですよ。

ジムはものすごく広いんですよ。マシンなんかもいっぱい置いてある。でもいつもガラガラなの。
それだったらサウナ作ってくださいよっていうの。
サウナの方がはるかに効果的だと思うよ。ランニングマシンだのズラーッと置いても、ほとんど使われてないから。
サウナだったら使う人も多いと思いますよ。ここのサウナでだって、国会議員と何人と会ったかわからないですもん。

本当にお金ある人はね、ニューオータニのスパとかなんかのメンバーになったりするんでしょうけど。まぁそれはよくわかりませんけど、みなさんお好きですよ、ここでは本当によくお会いしますもん。

サウナは世界中のいろんなところで入りましたよ。トルコに行けばターキッシュバスっていうようするにスチームバスがありますし。外国に行ったらばね、どこに行ってもホテルにサウナはくっついてますよ。
まぁ世界中全部のホテルにあるかはわからないですよ、でも私の行くホテルはどこもジムとプールとサウナはワンセットになってますよ。だから私はジムはやらないですけど、必ずサウナには入りますよ。

日本でもそうでしょ。いいホテルはだいたいサウナがついてるでしょ?
サウナっていうのは、そのホテルのグレードを表してるんじゃないかな…。
だからワタシが海外行くときら、必ずサウナがあるかないかは確認してますよ。

まずサウナをチェックする。

しかもあんまり早く終わらないで、夜遅くまでサウナに入れて、しかも朝早くからやってるところ。24時間やってるところはあんまり海外にはないんですけど、ようするに朝早くからサウナをやってるホテルに泊まる。
温泉いっても朝に一番風呂に入るじゃないですか? アレと同じでサウナに入ってから朝御飯を食べるという、ああいう感じ。
早いところは5時からやってますしね。ということは朝4時から暖めてるワケ、エエ。

それで

北欧のサウナも行ったし、大使館に駐在してたロンドンも、

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市内にいっぱいサウナがある。

でもロンドンのサウナはアレなんですよ、私の知る限り看板が出てない。『サウナ』っていう看板が。見たことないもん『サウナ』なんて看板。でもいっぱいある、看板のないサウナが。
だから初めてロンドンに来た観光客なんかはわからないんだけど、現地の人はどこにあるか知ってて、ちゃんとサウナに入ってる。

イギリスのサウナはだいたいプールと一緒になっててね。だから簡単に泳いで、それでサウナに入る。だから運動にもなっていいんですよ。ただイギリスの場合は男女混浴なんですよ、私がロンドンにいた頃ですからもう30年前のことですけど。30年前のロンドンのサウナは男女混浴だった。それでプールも男女混浴で水着つけないで泳ぐ人もいる。
あ、ドイツもそうね、男女混浴。プールも素っ裸でね。
でもなんといったらいいのかな。女性の方もそんなに恥ずかしいって感覚はないんじゃないかな。サウナではでっかいバスタオルみたいなの体に巻いてますし。

あと海外のサウナは水ぶっかけて温度調整できるでしょ。日本はできないでしょ。
海外のサウナと日本のサウナの違いっていったらそれなんだろうけど、日本の、この『VIVI』みたいなサウナ室がいいんじゃないですか?
トルコだとかインドだとかのスチームバスもまたいいですけどね。あと韓国やトルコやインドでもアカスリしてくれるんですけど、男の人がやってくれるんですよ。インドなんかもう大きな毛むくじゃらの男の人が出てきてね、それが体をガアアアアーっやるんですよ、ものすごい力で。だから皮膚が痛くなっちゃう!! アレはちょっとかなわない。

まぁそれだけ世界のサウナ入ってきたけど、やっぱり今まで入ったサウナで一番よかったのは、それは『東京温泉』ですよ。銀座も東京駅も両方とも。
銀座の方は個室になっててね、それがよかった。ちょっと高かったけどね。それで蒸し風呂ですよ、一人一人箱みたいになってて首だけ出すあれ。
あとは、オークラとキャピトル東急にもあったのかな、平成4~5年まで。あと火事になったホテル・ニュージャパンもあった。蒸し風呂のが。よく行ってたんですけど。でも水風呂はなかったな。個室になってて、箱の蒸し風呂と、それと洗ってくれるのとマッサージがワンセットになってた。それでいくらくらいだったかな~、平成4~5年頃で5~6千円くらいだったかな。
一流ホテルにしてはけっして高くないでしょ。今はなくなっちゃいましたけどね、残念ながら。それから東京駅の方の東京温泉は個室じゃないですよ。デッカイ風呂があってね。24時間やってたんじゃないかな。ココが良かったのは、アカスリでもなんでも待つっていうことがまずなかったの。ようするにあそこは、アカスリなら、そのベッドがい~っぱいあってね、もう10くらい。だから混んでても、すぐにアカスリしてくれる。
それにみんなうまかった! うまいといえば『レインボー』。あそこはうまいッ!!
ここの『VIVI』もうまいですけどね。やっぱりマッサージとかアカスリとかがうまいから、そこに行くんですよ。だってお風呂はどこでも同じだもん。

この「お風呂はどこでも同じ」という発言はすごい。サウナにハマりだすと、ココのサウナがいい、ここのサウナが悪いなどと、ついつい自分の肌にあったサウナを見つけたくなるものである。
しかし、そんなことを超越し達観したサウナマニアは、むしろどんなサウナでも、自分の肌の方からそのサウナに合わせていく。そんなサウナの達人の話は時々きくことがあるが、世界中の色々なタイプのサウナに50年入り続けた平沢議員が、まさにそれであった!!

私の家ね。ちっぽけなマンションなんですけど

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これから建てるっていう時に買ったもんですから、間取りも自由になるっていうんですよ。それでまず最初に作るって決めたのがサウナなの。小さな家なんですけどサウナだけはある。ようするにお風呂なんか入れても入れなくてもどうでもいいんですけど、サウナは入りたいから!サウナっていっても、一人入ればギュウギュウになるような小さなサウナですよ。
畳で言えば半畳くらい……いや半畳もないよ、半畳もないくらいですけど、入りたくて作った。

ただ実際作ってつくづく思ったんだけど、問題は、サウナを暖めるまでに時間がかかる。やっぱり1時間くらいかかるんですよ。それが待てない!! だからなかなか入れないんですよ、外からコントロールでスイッチ入れられるワケじゃないから。
だから今、家のサウナに入るのは月に1~2回ですかね。最初の頃は、月に4~5回、週に1回は入ってましたけどね。でも、そんなの作っちゃったから大変ですよ。部屋を売ろうなんてなった時に、「こんなの余計だ!」っていわれますよ、きっと。なにしろ普通サウナのある家っていうのは豪邸なんですけど、ウチはチッポケですから、サウナ作った分、モノを置くスペースが小さくなっちゃってんですから。もうサウナに入らない人にとっては本当に余計なモノでしかない!

そんな感じで家のサウナには今あまり入ってませんが、その分、外にいるときは30分あればサウナ行っちゃいますから。よくサウナで言われるんですよ。
「もう帰るんですか?」って。あ、30分どころか20分。20分でサウナと水風呂を出たり入ったり2回繰り返せば、これはもう本当にリフレッシュしますから。

サウナというと、ついつい長く入ってる人がベテランのように思われるかもしれないが、これまたそのレベルを超越すると、短い時間でスッキリと汗を流せる達人の領域になってくる。おそるべし平沢勝栄議員のサウナ能力!

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あの、千葉でも埼玉でも講演に行ったりしますでしょ。すると時間があまる時があるんですよ。ようするに、遅れちゃ悪いから、余裕見て出るじゃないですか? でも道路が空いてると早く着いちゃうじゃないですか? すると余った時間に何するか?
といったら、これはもうサウナに決まってるじゃないですか!!
決まってますよ、そりゃあ。するとネットでサウナを探すわけですよ。それが一番イイに決まってるじゃないですか!
これから講演するっていう時にね、サウナに入ってリフレッシュした方が絶対調子が出ますよ!!誰だってそうだと思いますよ。気持ちいいんだからサウナは。

だから気の毒なのは女性ですよ。男性用に比べて少ないでしょ、女性用のサウナ。
ココは女性も入れるんですけど、男女平等とかいいながら、サウナに関しては日本はまだまだそうじゃないところもありますよ。だから今、ぜひ作りたいのはサウナ議員連盟ですね。ただ国会議員の中で、誰がサウナを好きかっていうのを全て判ってるワケじゃないからねェ。ここで会う人はわかってますよ。だからその人たちを中心にしてね、あとは誰が好きなんだろうなァ、サウナ。それをまず調べてね。

そしてどういう形でサウナを応援したらいいかですよね。ようするにサウナ議連を作るなら、税制面だとか行政の政策の面で応援をしたいんですけど、そのどこを応援すればいいか? ですよ。サウナも色々な問題をかかえてると思うんですよ。燃料の問題ですとか、外国人の方の対応ですとか、とにかくいろんな問題があると思うんですけど、役所ではどこがカウンターパートなのか、それもまだわからない。

サウナは健康にいいから、もっと国民に広めようということと合わせて、色々な問題があるのなら、我々が役所との橋渡しになって、その問題を解決の手助けをしたいですよね。サウナにヤミツキになった国会議員としては、それはやらないと。

なにしろ私はサウナ党ですから。自民党じゃなくて、もうサウナ党!

--以上・日本サウナ党総裁・平沢勝栄氏のサウナ政見放送でした。

世界一周サウナひとり旅『第2回・混沌の南米大陸篇』

サウナを求めて世界一周する男『Sauna Donkey』!

北アメリカはニューヨークでやっとの思いでサウナに辿り着いた男が次に目指した地は、サウナ未開の地、南アメリカ大陸だった!!

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ニューヨークの次は南米のチリに行ったんですよ。というのも、イースター島に行きたくて。チリのサンチャゴ経由で。
イースター島は観光もしたかっし、そういう観光地ならば今度こそ間違いなくホテルにサウナくらいあるだろうって。

イースター島ではバギーっていうATVを借りて、そればっか乗ってましたね。それ乗って移動すればサウナのあるホテルも見つけやすいんじゃないか?って。そしたらありましたね!
ホテルの中のスゲェきれいなスパみたいなサウナ。オレが泊まってるホテルじゃないすよ。泊まってない高級リゾートホテルにあった。

ただ全然おもしろくないサウナ。単にキレイなだけ。水風呂も無いんですよ、プールも無い。ほら、バリとかの、女性がよく行くスパってあるじゃないですか? 浴槽に花びら浮いてるような。あれにサウナがくっつているような。

おまけにそうだ、クローズしてたんだ、サウナ室。それをオレが頼んで開けてもらったんだ。

そうそう、こういう時って最初に自己紹介するんですけど「サウナに入るために世界一周してるんですよ」っていうと、「おぉ~、入っていきます?」とか必ず言われる。

でもクローズしてたから、サウナ室にまだ電気入れてなくって、熱くなるまですげェ時間かかるっていうの。それで、もういいですよって帰ってきたんだ。そうそう、ココは見ただけ、見ただけ。

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イースター島のあとは、次の目的地のペルーに行く飛行機の待ち合わせで、サンチャゴの空港で一晩も時間が余ったんで、街のイタリア食堂に行ったんだ。そしたら現地の男3人組と知り合って。その中の一番小さいヤツがペルーの特殊部隊の隊員で、どう見ても人殺してる眼でしたね。別れる時に「コレをやるから」っていわれて帽子をもらったんだけど、それがすげぇ湿ってるんですよ。ジトっとしてて。おまけに臭くってね~。でも、臭くてもせっかくもらった物なので捨てないでおこうと思ったんですけど、結局途中どっかで捨てました。

次のペルーではマチュピチュに行きたかったんですよ。それで、クスコっていう標高3500メートルくらいの街にまず行って。身体が鈍っちゃうんで旅行中にけっこう走ったりしてたんですけど、クスコでも走りながらサウナ探してたら、ここにはありましたよ、サウナ。

クスコって、日本でいうと軽井沢みたいな所なんで、洒落たプチホテルみたいなのがあって、サウナって書いてある。で、ここらまでくると、自己紹介の時に「サウナで世界一周」だけじゃなくて、日本でライターやってて「世界のサウナの記事を寄稿してるんです」なんて、小ずるく吹かすようになって。するともう「入っていきます?」どころか「タダでも入ってけ!」なんて感じになるんですよ。

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で、このサウナも「タダで入ってけ!」って言われたんだけど、また前と同じで、まだ電源入れてないから熱くなるまで時間かかるっていうの。それで遠慮しておきましたけどね。

でもね、その後に行ったマチュピチュの近くには温泉があるんですよ。『Aguas Calientes』っていう。
“アグアス”は水で“カリエンテス”はホットだから、もうそのまんま温泉って意味。
まさに日本の「登山の帰りには温泉」みたいなやつ。ってことは、それと一緒にサウナもあるだろうと。

街歩いてたらサウナ顔したようなオッサンも多いし、これは間違いないって温泉に入ったら、サウナは無かった!

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クスコにはもう一軒あったかな。『Andina Spa』っていうサウナ。ここはネイルサロンと美容室とネットカフェも一緒になってるんだけど、サウナに入ろうとしたら「壊れてるよ!」って。それじゃあ入れない。

その後はボリビアのチチカカ湖に行ったのかな。チチカカ湖には有名な浮島っていうのがあるんだけど、観光ツアーに参加したら、ボートでいくつもいくつも浮島を巡るの。そんなのひとつ回れば十分だって。
飽きちゃったよ、おまけに寒いし。

あ、あと、チチカカ湖畔のペルー・ボリビア国境のペルー側にある『プーノ』っていう街があるんだけど、そこにはサウナあったね。民宿が持ってるサウナみたいな。でも覗いたら「これはさすがにキツイかな…」っていうくらい汚い。

でも写真で撮ると趣があるんでFacebook用に写真を撮ったという。

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その後は、ボリビアではウユニ湖に行って、アルゼンチンでイグアスの滝に行って。
でも、サウナで世界一周とかいって、全然サウナに入れてないんですよ。

だから日本っていうか、特に東京の人は感謝した方がいい! 入ろうと思えば、そこら中にサウナがあるんだから。世界の田舎に行くと、ロウリュだとか輻射熱だのなんだの言う以前の問題で、サウナが無いんだから!
もう入れるだけで有難がらないといけないんだよな~。

まぁ水風呂はあった方がイイけど、とにかくサウナに入れるということだけでも感謝しなきゃいけないって気づいたのが南米だったな~。

まぁ、最後のアルゼンチンではサウナよりも肉が喰いたかったんだけどさ。

旅はこのあと、サウナの本場・フィンランドを擁するヨーロッパに突入。
次回『怒濤のヨーロッパ篇』をお楽しみに!!

世界一周サウナひとり旅『第1回・哀愁の北アメリカ大陸篇』

2015年7月27日。一人の男が成田からバンクーバーへと飛んだ。

男の名はサウナネーム『Sauna Donkey』。旅の目的はただひとつ。世界一周サウナひとり旅!

青い地球の津々浦々を、燃えるサウナを巡って回る、“サ旅”だの“遠征サウナ”だのといった話とはスケールも規模も桁が違う一大サウナエクスペリエンス!!
一部上場企業に勤務し、なにひとつ不自由のない独身貴族を満喫していたこの男を、世界のサウナへと駆り立てたものはなんだったのか?
そしてそこには何が待ち受けていたのか?

これは『Sauna Donkey』氏自らが回想し、独白した半年にも渡るその灼熱の旅をまとめたものである…。日本のサウナーよ、心して読むがいい。

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2015年の春に、長年勤めた会社を辞めましてね。でも辞めた会社が結構ちゃんとした会社なんで、辞めたら辞めたでド~ンと金が入ってくるし、いやらしい話、給料も良かったんで金はあってさ。

それで、このあと何か仕事を始めるにしても、前から行きたかった世界一周に行くなら今じゃねェかって。それもせっかくだからビジネスクラスで世界一周しちゃおうと。いやらしい話、金はありますからハハハハ!

で、どうせ行くんなら半年くらい行きたいし、ほら、半年も行くんなら何かテーマみたいなものがあった方がいいじゃない? それで、これはサウナだ!! と。フィンランドには前にサウナ入りに行ってたけど、フィンランド以外の国のサウナも色々入ってみたいし。

それでまずはバンクーバーに行ったの。で、飛行機はビジネスクラスで贅沢したんだけど……あ、贅沢っていっても意外と安いんですよ、ビジネスクラスの世界一周料金って。70~80万円。まぁそれはいいんだけど、飛行機は贅沢しても、さすがにホテルまでは贅沢できないんですよ。半年ってことは180日くらいでしょ?

今までは、ほら、またいやらしくなっちゃうけど金はあったから、どこに旅行に行くにも高級ホテルに泊まってたんだけど、さすがにそれを180日も続けられないんで、これはもう安いドミトリーとかゲストハウスに泊まることにして。

いや~この安宿に泊まり歩くっていうのが後々響いてくるんだけど、最初行ったバンクーバーも観光地だから、街サウナはなくてもホテルのジムだのスパだのあるって思ってたんですよ。ところが考えてみたら安宿にはありゃしないんだよ、サウナなんて!!

あえて何にも予定は立てないで行ったからね。とりあえずバンクーバーに行って、ホテルもそこで決めて、次の街に行くフライトもその街に飽きたら移動するって感じで。だからバンクーバーのどこにサウナがあるか? なんてこの時点でわかりゃあしない。

でも、iPhoneがあるからググるワケ。それで見つけてチャリンコ借りて行ってみたら、だいたいゲイ向けサウナ。考えてみりゃバンクーバーってゲイの街なんですよ。北アメリカ大陸の西海岸ででゲイの街っていったらサンフランシスコかバンクーバーなんですよ。

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一応サウナを覗いてみたら、男の裸の写真とかブァ~ッって貼ってあってね。それでその隣は必ずタトゥー屋。

でも考えたね。もともと登山が好きだったんですよ。日本では結構登ってて。それで山から下りる時の楽しみっていったら温泉。必ず登山口あたりには温泉がある。で、その温泉にはサウナがついてる。それでオレ、サウナにハマったんだけど、その論理で考えたワケ。

バンクーバー近郊に“グラウスマウンテン”っていう有名な山があるんで、そこに登れば、帰りに絶対温泉があってサウナがあるはずだって。

いや~そしたらねェんだ!! サウナも何も。

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それでもうバンクーバーはダメだ、ニューヨークだ!ってニューヨークに飛んだんですよ。

ニューヨークには有名なサウナがあるのを知り合いから聞いてたから、『Bear and Birch』っていうゴールドマンサックスの敏腕トレーダーが退職して造ったというサウナに行ったんです。

それでオレ、酒飲むからバスで行ったんですよ、確かマンハッタンの東バスターミナルから。ちゃんとそういうのGoogleマップで載ってるから。

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それでバスに乗ったら2~3時間ぐらいかかるとんでもない田舎なの。

思い返してみたら、ニューヨークじゃなくてニュージャージーだったわ、って思い出してさ。
でもソレに輪をかけてヤベェって思ってのが、バスを降ろされた場所!

広い道が走ってて、その周りは何にもない荒野!! せいぜいあるのが自動車の倉庫とかさ、もうアメリカ映画に出てくる典型的なアメリカの荒野!! そんな一体どこにサウナがあるんだっていう所に降ろされたワケ。
それでGoogleマップで調べたら、そこからサウナまで歩いて3キロだってさ!!
車で行くことしか想定されてないんだよね。

しょうがないからトボトボ歩いてたら周りはどんどん淋しい森の中みたいになっちゃって。だいたい人の気配がないんだから。それでもうUターンするなら今が限界って時になって、やっとポツンと現れたんだよ『Bear and Birch』。オーナーは元ゴールドマンサックスの敏腕トレーダーだかなんだか知らないけどさ、こんな土地代タダみたいな所に造るなんて、けっこう締まり屋なんじゃねェの?

でも、入ったらこれは良かった。フィンランド式とロシアのバーニャタイプのサウナがあって。その元トレーダーってのがロシア出身なんで、バーニャは気合い入っててね。ベンチがストーブよりかなり上で、そのストーブに直接ロウリュされる水が流し込むみたいな仕組みになってて。

水着を着て混浴なんですけど、客はオレの他にはオッサンが少しいるくらいですね。でもさ、そこは良かったんだけど、考えてみたら帰るのが大変なんですよ。また3キロ歩かなきゃならないわ、日が暮れたてきそうだわ。日が暮れたら森の中ですからね。死にますよ、そんなの。

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それでもう早歩きでさっきのバス停に戻って。そしたらニューヨークから来た時に降ろされたバス停はあるんだけど、反対車線にニューヨーク行きのバス停が無いんですよ。日本の感覚だと道路の反対側には対向車線のバス停があるじゃない? それがないんだ、田舎だから。ちなみにこの時、iPhoneの電池はもう切れちゃってる。

でもまぁ、降りた所の反対側で手を上げりゃあバスも停まるだろって待ってて、やっとバスが来たから手を上げたら、猛スピードで通り過ぎていきやんの。

もう外は真っ暗ですよ。絶望的。で、バスも1時間に1本だし、時間を潰す喫茶店も当然無いし、もうとにかくバス停を探そうとその道を歩いてたら、遠くに灯りが見えて、それがインディーズ系のコンビニ。
そこで、バス停はどこにある? って聞いたら、

「2キロ先!」

だって。それで地図を書いてもらったら、その地図がまたヘタクソだしさ。トボトボまた2キロ歩いて、やっと見つけたバス停が、膝の高さくらいしかないスゲェ小さいヤツ! わかるか、そんなの!!

ま、それで帰ったんだけどさ。そのあとはマンハッタンのイーストヴィレッジにある『Russian & Turkish Baths』っていう、これもロシア系のけっこう有名なサウナにも行って。そこはまぁそこそこ良かったですよ。歴史もあって、ロバート・デ・ニーロとかも来てたんじゃないかな。でもニューヨークってロシア人多いから、そういうコミュニティーがあるのかな、だからフィンランド式よりもバーニャの方がココも気合い入ってる感じかな。

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メシ旨かったっすよ。そんなに腹減ってもいなかったんで、一番軽そうなベーコンエッグ喰ったんですけど。
施設全体の雰囲気は川崎の『ビッグ』に似てる。あんなオヤジが集まる感じ。

で、次は南米のチリ行ったんですよ。

ニューヨークでサウナにありついたSauna Donkeyは、この後、サウナ情報皆無の大陸・南米へと飛んでいた。
次回『混沌の南米大陸篇』にご期待ください。

〜次回3/12(日)に更新予定〜

聖地『しきじ』の申し子が語る“しきじの秘密”とそのサウナライフ!

『サウナしきじ』……サウナーならば誰もが“聖地”と崇める至高のサウナ。

静岡県にありながら、サウナと、そして『しきじ』の名を不動のものにした奇跡の水風呂に入るだけの為に新幹線で訪れるマニアすら存在し、彼らは、その遠征サウナ行を“詣で”とまで呼ぶ。

そんな聖地に子供の時から日々入り続けているという、サウナーにしてみれば“うらやましいにもほどがある”女性がいる。
『サウナしきじ』経営者のご息女、“笹野美紀恵”嬢である!

モデルとしても活躍後,サウナと美容などを結びつける活動もされている彼女のサウナ半生には『サウナしきじ』の凄さの根底であるに違いない“すさまじいまでのサウナ愛”が詰まりに詰まっていた。


 

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小さい時から、ここ『しきじ』が遊び場だったんですよ!! もう物心ついた時には、毎日のように父と一緒に来ていたんです。
その頃はまだ父が経営していたワケではなくて、名前も『しきじ』ではなかったんです。とにかく父がサウナ好きで、不動産の仕事をしていたんですけど、ここのサウナに入っては、
「いつかはサウナをやりたい」
と思っていたそうなんですね。そんな時にこの施設が競売に出て…… 私、覚えてますもん。父がその話を聞いた日に興奮して帰ってきたのを。

「いけるかわからないけど、オレ、願かけたからな!!」
って。それが15年くらい前だったんだすけど、逆に不思議な気持ちだったんですよね。その前から毎日行ってる遊び場……というより、自分の家のお風呂くらいの気持ちでいましたから、
「あれ? 今まではウチじゃなかったんかい、ここ?」
みたいな。

しかし、そんな夢のようなサウナ三昧の日々を変えざるをえない時がやってくる。

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私、高校・大学とアメリカのボストンに留学したんですよ。寒い所なんですけど、サウナがないんですよ!! 今まで毎日入っていた、当たり前のモノが急に「プツン!」と切れちゃった。

そこで仕方ないんで色々考えたんです。寮に入ってたんですけど、バスタブはあるんです。
それでどうにか汗をかく方法はないか考えて、まずバスタブには水を留める栓がなかったので、マイ栓を買ってきて。そこで半身浴しながら、頭からビニールを被るんです、空気穴だけ空けて。周りの人が見たら、
「何やってんだ!?」
って感じなんですけど、そこまでしてでも、汗をかきたかったんですね。でもボストンのあるマサチューセッツのいいところは、水がキレイで冷たいんです。それで寮だからバスタブがいくつも並んで置いてあるんです。そのひとつは半身浴用にして、その隣のバスタブには冷たい水を張って水風呂にする。その二つで“マイサウナ”を勝手に作ってました。

今思えば贅沢なんですけど、マイサウナから上がると星空がきれいで。でも当時は16才とかで若いから、星空見て「私は何やってんだろ…」と孤独を感じちゃったりして。本当は遊びたい時期なのに、星空見るくらいしかやることがない!

だから夏とお正月に日本に帰ってくるのが楽しみで。母が成田空港まで車を運転して迎えにきてくれるんですけど、その母がまたサウナ好きで、
「3時間も運転してきたんだから、家帰る前にサウナに入ってから帰ろう」
って、成田や都内のサウナに一回入ってから家に帰るんですよ。

まさに筋金入りのサウナ一家である……。

私、ウチのサウナ以外でも、健康ランドとかに泊まるのは子供の時からしょっちゅうでしたから。
家族で高知県とかに旅行に行っても、泊まるのはホテルとか旅館じゃなくて、健康ランドとかの仮眠室!

旅行といっても父が仕事で来れない時があって。それでウチには兄と姉がいるんですけど、子供だけだとサウナとか健康ランドって入れない所もあるじゃないですか? 私と姉は母と一緒に女湯に入れるとしても、兄は子供だけなので入れない。そんな時は、母が知らないおじさんに、
「今日だけこの子のお父さんになってもらえませんでしょうか~。入浴料は払いますんで~」
ってお願いしたりして。後で兄も兄で、
「今日だけのお父さんにヤクルト買ってもらったよ~」
なんて。あ~、この話、書けないですよね?

面白いので当然書きます。
それにしても『しきじ』のクオリティーの秘密はどこにあるのか?

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まずやっぱり水風呂の水だと思うんですけど、これはこの『しきじ』のある場所の地下から汲み上げて、かけ流してるんですね。

あと、建築法なのか消防法なのか、今とは違う時代に作った建物なので、今では建てられない高温設定が可能なサウナらしいんです。

それとガウンやタオルも地下でクリーニングしてるんですけど、その洗濯している水も地下水なんですよね。ガウンもタオルもあの水で洗っているという。それをウチでは全部ビニールパックしてるんですね。タオルやガウンもそのままの状態で渡される施設が多いじゃないですか? でも一人分ずつパックしているっういうのも、ウチのこだわりだと思うんですよね。
地下水で洗った後には、誰も触っていないというこだわりですね。
実はそういうこだわりってほとんどウチの父のこだわりなんです。

『サウナしきじ』の経営者であるお父上・二郎氏である。

歯磨きも父がこだわっていて、使い捨ての歯ブラシなんですけど、ああいうのって、小さな歯磨きチューブが付いてたり、水で濡らすタイプじゃないですか?
でも父がそれだけじゃ飽き足らないっていって、自分で選んだ歯磨き粉を洗い場に何本も置いてるんですよね。

ちなみにその歯磨き粉は『ホワイト&ホワイト』である。

薬草サウナと漢方薬草風呂に使っている薬草も父がこだわっていて、韓国から定期的に買いつけていますしね。

父ってすごい潔癖症なんですよ。兄に聞いたら、父がサウナ室に入るとずうっと「このアングルじゃな~」とかいいながら、敷いてあるタオルの角度を直してるっていうし。夏なんか、汗くさいのがイヤだっていって、1日に4回くらい下着を着替えるんですよ! 冬でも2回は着替えますからね。
だから旅行に行く時はとにかく持っていく下着が大量ですし、その上に持っていく下着は全部『しきじ』で出すタオルやガウンと同じようにビニールパックしないと気がすまない!!

私は「ビニールマン」と呼んでるんですけど。

とにかく父はそんな潔癖症な上に水風呂が好きで、お風呂は『しきじ』で入るんで、家では入らないんですけど、水風呂だけは家でも入るんです。家でもキンキンの水風呂にだけ毎日入ってる。

やはりそのくらい潔癖症で水風呂好きじゃないと、聖なる水風呂を持つサウナを運営することは不可能なのだ。
ビニールマンあっての『サウナしきじ』だったのだ!
そしてお父さんに育てられた美紀恵嬢の現在のサウナライフはというと…。

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今は東京に住んでるので、毎日『しきじ』にくるワケにもいかず、サウナに入る回数は減ってますけど、それでも週に2回から4回は入りますね。よく行くのは新宿の女性専用サウナ『ルビーパレス』さん、巣鴨の『SAKURA』さん、銭湯で表参道の『清水湯』さんとか。
それと週末は温泉×サウナのある所を探すんですね。『東名厚木健康センター』さんとか、熱海の方までいったり、あと西多摩の『つるつる温泉』も良かったですね~。

やっぱりサウナって女性にとっては美容的な効果もあると思うんですよ。運動すると出る汗っていうのはサラッとしてるんですけど、サウナで出る汗っていうのは内発的な汗なんでちょっとドロッとしてるんですね。それは皮膚や汗腺に溜まった汚れとか老廃物とか、男性でいうと加齢臭ですとかいろんなものが混じっているからなんです。

それがサウナを3セットくらい入ると、汚れが全部出て、サラッとした汗になってくる。その時には、
「キタァァァァァァァ!!」
ってなりますね。岩盤浴とかでもサラッとした汗がでるんですけど、50分くらい入るじゃないですか? 中には2時間くらい入ってる人もいますし。でもサウナなら5分サウナ入って水風呂入ってを3回繰り返せば、もっと短い時間で汚れを排出させてサラッとした汗になってくる。だから岩盤浴もいいんですけど時間を効率よく使ってキレイになるのは、サウナじゃないかな~とワタシは思ってます。

女性的には岩盤浴って子宮を温める効果があるんでいいと思うんですけと、肌的にいったらサウナの方かな、って。
それと肌でいうと、男性でサウナ入ってる人は圧倒的に違いますね! 弛んでないというか、肌が張ってる。プルンプルンしてる。女性はファンデーション塗っちゃうんで、男の人の方がわかりやすい。

そんな美紀恵嬢のサウナの入り方のルーティンはどんなものなのか、気になるところである。

ストイックにやる時は、まず頭洗って体洗って、最初にお湯に使って体を温めてからサウナ。この時のサウナに入ってる時間が一番長くて10分くらい。その後に水風呂に1分くらい。そしたらすぐにサウナに入って、ここでは8分くらい。そして水風呂に入ったらここで最初のブレイクを入れますね。
「フワ~……」
って感じで。そしてここで冷たいモノを飲みたいんですけど、ガマンして温かいお茶かお湯を飲む。
もうどんどん体を温めよう、ちょっとでも体を冷やしちゃいけないぞ!っていう。

あ、それで水風呂に入ってる時は、常に手を“グッパ、グッパ”って開いたり閉じたり運動してます。それを繰り返して3回目のサウナになるんですけど、入ったら3分後くらいから、腹筋の運動を中でするんです。

ちょっとマニアックになるんですけど…。

大丈夫です。マニアックなサイトです!

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ヨガと同じで、「フ~ッ」って息を吐きながら胃をへっ込まして、お腹をキュっと締めて、腹筋を固い状態にしてから、両方の手の平を胸の前で合わせて力を入れて押し合うんです。さらにその状態で、足はアグラをかいた形なんですけれど、その組んだ足を持ち上げるんです。あ、この時タオルは頭に巻いた状態ですね。

それを状態キープで5分続けてサウナ室に合計8分入ったらまた水風呂に入って、4回目のファイナルサウナになります。ここでは、お客さんが他にいたら迷惑になるんでできないんですけど、空いてたら、さっきまでアグラを組んでいた足を伸ばしてから上げる。

さらに! まだ「いけるゾ」と思ったら、頭に巻いていたタオルを取って、両足の間に入れて挟む。
もう汗ダラッダラです。どうせだったら「キレイになりたい!」っていう欲ですね。

女性はお腹とか筋肉がないんでプルプルしてるんですけど、これをやるとワンサイズくらいダウンするんですよ。痩身エステとかって揉んでくれて、その後ヒートして同じような効果があるんですけど、この運動をサウナでやると、自発的にヒートする感じなんですね~。

私、すごいお酒飲みなんですね。ワインは2本くらいは飲んじゃうんですけど、サウナとこの運動のおかげで、どうにか体をキープできてるみたいな。

ただ入って「気持ちいい!」と喜んでいる男と違って、女性には女性なりの、
かくも激しく厳しい、そしてこだわりのサウナの入り方があったのだ!
しかしそのこだわりはサウナ上がりにも続くのだった。

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サウナ上がりのアメニティーにはこだわっていて、まず迷惑でなければ炭酸水の『ゲルウィッシュ』か『ウイルキンソン』を頭と顔にかけます。炭酸水かけるとサウナで良くなってる血流がさらによくなるので、化粧の乗りがブァアッってキマります。
『ゲルウィッシュ』は気泡が細かくマイルドなんですけど、『ウイルキンソン』は気泡が大きくて刺激が強いんで、今日は汚れが多いな~とか自分の気持ちがスッキリしないな~って時は『ウインルキンソン』。両方とも余ったら飲んじゃいますけどね。

あとこだわりというと、化粧水の後にブースターっていうのを使うことですかね。『キールズ』っていうブランドのやつなんですけど、今“キヌア”っていう健康食が流行ってるんですね。穀物なんですけど、発酵するどブクブク泡が出てきて、その泡が汚れを取るといわれてるんですけれど、そのキヌアを使った『キールズ』のブースター。

あとは『ベネフィーク』の“ハイドロジーニアス”。美容液なんですけと、ずぼらな方にはもってこいで、ナノよりもさらに小さいピコサイズで、肌に塗っておけば勝手に浸透してくれるという。

シャンプーとかコンディショナーは、その施設にあるやつを使っちゃうんで特にこだわってないんです。炭酸水とブースターと美容液。乾燥するなと思ったら美容液にヒアルロン酸を混ぜるくらいで。

そして美紀恵嬢にとってのサウナとは!?

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私にとってはサウナって、もう生活必需品なんですよね。歯ブラシと同じレベルというか。化粧品は装飾品だから、もし無くなってもどうにかなると思うんですけど、歯ブラシはないとやっぱり困るじゃないですか? それと同じレベル。

それと、人に合わせないで自分のペースでできるのがいいですよね。だからワタシにいわせると、サウナーの人って繊細だと思うんですよね、世間とシャットアウトして自分の向き合いたい時間を求めているんじゃないかな? って。

サウナに一人で入ってると、なにも考えなくなるのがいいんですよね。お酒とか呑んでると一人でも多少色々と考えたりすると思うです。明日の予定とか考えたり……でもサウナだと、ワタシなんかは運動もしちゃうし、考えると疲れちゃうんで、考えなくていいや~っていう気分に自然となれる。

女性の中には「サウナって肌や喉が痛いから、スチームや岩盤浴の方がいい」っていうイメージの人ってまだまだ多いと思うんですよね。でも、本当に質のいいサウナならば喉が痛くなることもないし、『しきじ』でいうと薬草サウナがあったり、本当に美容にも肌にもいいサウナがある、キレイになれるサウナがある、そういうことをもっと広めていきたいですね。